ライフパートナーである愛犬の健康管理の中で、特に体重管理が難しいと感じている飼い主さんはとても多いです。
肥満になってしまうと、以下の病気のリスクが増えて、寿命にも影響してきます。
・糖尿病
・免疫力の低下
・関節炎などの骨関節疾患
・心血管疾患
・シュウ酸カルシウム尿路結石 など
愛犬の体重増加を防ぐには、運動もそうですが、栄養バランスやカロリーなどに気をつけて、食事管理をしていくことがとても重要です。
ただ、
「成長に伴って適正体重であるか?」
「避妊・去勢手術後は太りやすくなると聞くのでどうなのか?」
「ダイエットするとしても食事をどんなものに変えていけばいいか?」
「カロリーってどう計算するの?」
などの疑問が出てくる飼い主さんも多いと思います。
今回の記事では、
・ドッグフードの選び方やおすすめ商品
・痩せる工夫
について、詳しく紹介していきたいと思います。
【3ステップ】犬の必要カロリーから肥満度合いをチェックしよう
「最近、愛犬が太ってきたかな?」と感じた時、そもそも太っているのか、適正体重はどのくらいなのかを確認する必要があります。
また、愛犬が1日にどのくらいのカロリーを取るのが適切なのかを把握し、その上で、食べさせているドッグフードのカロリーを見直してみてみましょう。
①現在の健康状態は?まずは肥満度を計算
犬種ごと年齢ごとに基準があってその犬ごとに体格差もあります。
愛犬は現在、痩せているのか・太っているのか・適正体重なのかを知る目安として、肥満度を測る、BCS(ボディコンディションスコア)というものがあります。
犬の身体を触ったり、見てみたりして肥満度を測ります。
飼い主さんが愛犬の体を触ってチェックしてみてください。
<BCSのスコアの内容>
参照元:環境省 飼い主のためのペットフード・ガイドライン
BCS1(痩せ)
肋骨・腰椎・骨盤が外から容易に見えて、触っても脂肪がわからない。
腰のくびれと腹部のつり上がりが著明。
BCS2(やや痩せ)
肋骨が容易に触れる。上から見て腰のくびれは著明で、腹部のつり上がりも明瞭。
BCS 3(理想体重)
過剰な脂肪の沈着がなく、肋骨に触れる。
上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがみえる。横から見て、腹部のつり上がりが見られる。
BCS4(やや肥満)
脂肪の沈着はやや多いが、肋骨に触れる事ができる。
上から見て、腰のくびれは見られるが、著明ではない。腹部のつり上がりはやや見られる。
BCS5(肥満)
厚い脂肪におおわれて肋骨が容易に触れない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。
腰のくびれはほとんど見られない。腹部のつり上がりもほとんど見られないか、垂れ下がっている。
ダイエットの必要があれば、食事のカロリーを見直していきましょう。
痩せているという場合でも、ドッグフードの量を増やしたり、カロリーの高いフードを選んだりするなど見直しが必要です。
急に痩せたなどは病気が原因のこともあるので、動物病院で相談しましょう。
②必要カロリー基準をチェック
BCSを参考に、愛犬の状態を確認したら、現在の体重の状況から、カロリー摂取量が適切か見ていくことが大切です。
犬が1日に必要とするカロリーは、それぞれのライフステージによっても変わってきます。
<体重による標準的なカロリーの必要量例>
体重5㎏:350~450kcal
体重10㎏:600~750kcal
体重20kg: 1000~1250kcal
こちらを基準にして、成長期やシニア期、避妊去勢手術をしているかなどのライフステージごとにカロリーを調節していくことが大切です。
③必要なドッグフード量を計算
ドッグフードの量は、パッケージに書いてある給与量を目安にして与えている飼い主さんも多いと思いますが、実は犬それぞれのライフスタイルや運動量は異なっています。
消費カロリーがそれぞれ違うので、与えすぎになっているケースも珍しくありません。
簡単に自動計算が出来るサイトがあったので、参考にしてください。
また、計算式を以下に記載します。
こちらに当てはめていくと、ドッグフードの量を計算することができます。
1日あたりのフードの給与量(g)=DER(kcal)÷ME(kcal/100g)×100
DERは、1日あたりのエネルギー要求量のことです。
<1日あたりのエネルギー要求量>
1日あたりのエネルギー要求量(DER)kcal=DER×係数
※係数とは?
「犬の活動量に合わせて調節する数字のこと」です。
- 避妊去勢手術していない成犬:1.6
- 避妊去勢手術済みの成犬:1.4
- 太り気味など活動量が少ない犬:1.2
※MEとは?
ドッグフード100gあたりの代謝エネルギー
こちらは、与えているドッグフードのパッケージに記載があるので、ご確認ください。
<安静時のエネルギー量>
安静時のエネルギー要求量(RER)kcal=体重(kg)×30+70
カロリー以外にドッグフードを選ぶポイント
カロリー以外にも、ドッグフードを選ぶ時に知っておきたいポイントをまとめました。
適切なタンパク質の量
タンパク質は、牛肉、鶏肉、魚肉、コーングルテンミール、大豆から摂取できます。
どの程度のタンパク質を摂取すれば良いのかというと、AAFCO(アフコ=米国飼料検査協会)の出しているガイドラインがとても参考になります。
AAFCOとは、ペットフードの栄養基準などの発表を行っているアメリカの団体で、権威のある団体です。
AAFCOのガイドラインによると、子犬が成長を維持するために必要なタンパク質の量は、ドッグフード(ドライフード)中の22.5%以上、成犬では18%以上です。
ただし、タンパク質には、動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。
動物性タンパク質の場合、犬はほぼ100%吸収することができますが、植物性タンパク質は吸収率が低下します。
ほとんどのドッグフードは動物性タンパク質と植物性タンパク質が混合していると言われ、実質の吸収率は75~90%程度の数値になっている可能性があるそうです。
タンパク質は三大栄養素の1つで、犬に欠かせない栄養素ですが、取り過ぎには注意です。
高タンパクの食事を続けると、身体の中で代謝する際に肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。
必要以上に取り過ぎてしまうと、このような病気を引き起こす原因になることもあるので、自分の愛犬にとって適切な成分が入っているドッグフードを選ぶようにしましょう。
炭水化物の量や種類
エネルギー源として炭水化物も必要な栄養素です。
国内のペットフードの品質基準として知られるAAFCO(米国飼料検査官協会)の養分基準では、炭水化物の量適正摂取量が定められていません。
タンパク質が十分量供給されていれば、炭水化物を積極的に摂る必要はないとされているようです。
犬は雑食寄りの肉食動物なので、炭水化物の消化吸収があまり上手ではありません。
炭水化物の量が多いと胃腸に負担をかけることになるので、注意が必要です。
また、炭水化物はイネ科の穀類を使わずに、野菜(いも類)を使っているものを選ぶと、アレルギー対策にもなります。
原材料表示を確認する
食品添加物の量や含まれている原材料の種類も事前にチェックしておきましょう。
消費者にわかりやすいように原材料表記がされています。
ペットフード公正取引協議会が、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」を設けているためです。
どの成分が含まれている食事を摂っているのか把握することで、与えすぎの防止にもなりますね。
ダイエットに最適な低カロリードッグフード5選
おすすめのドッグフードをご紹介します。
「オリジン ドッグフードオリジナル」
引用元:https://intl.acana.com/ja/our-foods/dog-foods/heritage/adult-small-breed/
おすすめポイント
原材料は鶏肉、七面鳥、魚や卵など、鮮度にこだわった食材を使用しており、タンパク質含有率38%以上のドッグフードです。
炭水化物は他の製品より低く抑えられていて、レンズ豆やひよこ豆と言った低GI食材に由来するものを使用しています。
楽天だと1袋セット(内容量2kg)で、楽天だと5,280円(税込)、Amazonだと4,514円(税込)です。
送料は無料です。
「アナカアダルトスモールブリード」
引用元:https://intl.acana.com/ja/our-foods/dog-foods/heritage/adult-small-breed/
おすすめポイント
オリジンドッグフードの姉妹商品である「アナカアダルトスモールブリード」。
新鮮な鶏肉やカレイ、七面鳥やニシンが主原料の高たんぱく質なフードが入っている反面、穀類をオリジンドッグフードの姉妹商品。商品展開が豊富。
原材料はヒューマングレードとして認定された肉・魚を使用。
タンパク質含有量27~37%。
低炭水化物で、低GIのカボチャやバターナッツスクワッシュなどのフルーツや野菜を使用。
使わないなどアレルギーに配慮されており、消化吸収も良いです。
1袋セット(内容量2kg)で、楽天だと3,268円(税込)です。
送料は無料です。
「ナチュラルバランス オリジナルウルトラ ホールボディヘルス」
引用元:ナチュラルバランス
おすすめポイント
タンパク質23%以上で、嗜好性の高い原材料を使用しています。
グルテンフリー(小麦不使用)で、消化吸収に優れていることが特徴です。
楽天で購入することが出来ます。
1袋セット(内容量1kg)で、楽天だと1,650円(税込)です。
送料は無料です。
「ニュートロ ナチュラルチョイス 減量用(成犬用)ラム&玄米」
引用元:https://nutro.jp/dogfood/natural_choice/products/110318-2/
おすすめポイント
タンパク質23%以上、低カロリー低脂肪で設計されている商品です。
厳選したラム肉を使用しており、満腹感を維持する良質な食物繊維が配合されています。
1袋セット(内容量2kg)で、楽天だと2,753円(税込)、Amazonだと2,963円(税込)です。
送料は無料です。
「POCHI ザ・ドッグフード ベーシック ラム」
引用元:https://www.pochi.co.jp/item/POD0100770.html
おすすめポイント
タンパク質30%。原材料にラム肉、低GIのスイートポテトを使用しています。
グレインフリー、グルテンフリーフードです。
安心の生肉を使っている点がおすすめで、トッピングのみでも活用できます。
公式サイトで購入が可能です。
1袋セットの場合(内容量:1、3kg) | ||
価格 | 送料 | |
1kg | 1,628円(税込) | 初回もしくは3,300円以上で送料無料 |
3kg | 4,389円(税込) |
ドッグフードの選定以外でカロリーを調整する方法
ここまでドッグフードを見直して体重管理をしていく方法をお伝えしましたが、それ以外の方法で、体重管理ができるおすすめの方法を紹介します。
おやつを控えるもしくは変える
おやつは基本的には必要ないものです。
欲しがるからと与えていると、肥満や病気のリスクも上がります。
最初からあげないというのが理想ですが、もうすでに毎日与えてしまっている場合は、徐々に減らしていくことが必要です。
しつけのご褒美でおやつを使いたいなどの場合は、普段喜んで食べているドッグフードをご褒美代わりに使うなどしてみてください。
1日の食事回数を増やす
飼い主さんのライフスタイルや一般的な考え方から、食事回数を1日2回にしている事が多いと思います。
これを1日に3~4回とか回数を増やしてみるのも良いと思います。
血糖値が急激に上がるのを防いだりすることもあるため、糖尿病などのリスクを減らすことができます。
空腹時に吐くという症状のある犬にも有効なケースがあります。
これは、飼い主さんのライフスタイルから難しい場合もあるかと思います。
出来る範囲でチャレンジしてみてください。
食器を変えてみる
早食いをしてしまう、ドッグフードを丸飲みしてしまう、というお悩みもよく聞く悩みのひとつです。
今は、早食いを防止する食器などが出ています。
数多くの食器が出ているので、愛犬の特徴から合う食器を探してみてください。
カロリーを考えながらトッピングでかさ増し
ドッグフードの一回量では満足出来ない、何度も欲しがるなどの場合、犬が食べても大丈夫な野菜をトッピングして、少しかさ増しすることによって満足感を得てもらうようにすると上手くいくケースがあります。
ただし、アレルギーや他の病気があるなどの場合は、野菜の種類に気をつけたり、動物病院で相談された方が良いと思います。
野菜にもカロリーがありますので、気をつけながら取り入れていく必要があります。
定期的な運動習慣をつける
【ダイエット=運動】というイメージを持たれる飼い主さんも多いと思います。
定期的な運動習慣をつけることは健康を維持するという面でも必要なことです。
毎日のお散歩も1日2回にしたり、時間を少し増やしてみたりなど工夫されるのも良いのではないでしょうか。
ただし、関節が悪いなどの持病があり、体重も減らさなければいけないなどの場合は、運動より食事メインで考えた方が良いと思います。
また、川やプールなどで泳ぐ水泳や、水槽に水を張ってその中でおこなう水中療法などもありますが、こちらを希望される場合には、専門のトレーナーがいる所に相談してから行いましょう。
まとめ
この記事では、愛犬のカロリー基準、おすすめのドッグフード、食事以外で痩せるポイントなどについて、お伝えさせて頂きました。
まずは、愛犬が太っているのか、痩せているのかをBCSを使いながら確認し、カロリーを計算して調節したり、フード量が適切かを見直すことが重要です。
ライフパートナーである愛犬と、身体に良いフードで健康的に過ごせることを願っています。